最終更新日: 2010/03/04
1)『1週間モノが動かんかったら捨てろ』 持っているモノを少なくすれば,必然的に現場が見えてくる。 使うモノと使わないモノとを徹底して分け、使わないと分かれば徹底して、 それも1週間という短い期間で捨てる。 無駄がなくなり工場内にスペースが出来てくると、整理・整頓がドンドン進む。 それとともに作業者のムダな動きもなくなり、改善も進むようになる。 ○1週間使わなかったら一時置きにし、社内の他部署で使わないかどうか確認する ○確認の期限が切れたら、本当に捨てる スゲェー! なかなか整理整頓の出来ない私にとっては刺激的! ウチの管理職も整理が出来ない人が多いです。 何でもかんでも書類やらFAXやら積上げて「○○の資料出してくれるかな」 なんて話をすると、ガサゴソ・ガサゴソ探し始め結局どこに置いたのか見つからない。 「後で見つけて提出します。」なんて、しょっちゅう!!! つい一週間前に管理職の机から棚に『整理整頓』と書いた紙を10枚くらい貼りつけました。 見た瞬間、唖然!としていましたが未だに整理整頓はされていません・・・。 武蔵塚にて 宮本武蔵は、1584年に生まれ戦国乱世の時代に生きていました。 1640年57歳の時に細川藩主 忠利に客分(今で言うと客員教授)として 召抱えられます。 それまでは、一貫して主を持たない主義だったそうです。 この銅像の隣に武蔵の墓があります。 武蔵は1645年62歳でこの世を去っています。 2)『事前の1策、事後の百策』 人はとっさの行動を起こしやすい。無意識のうちに想定外の動きをする事がある。 早めに手を打てば1策でOK、しかし事後になると百策が必要。 早め早めに手を打てば問題が大きくならない。 トヨタという会社は再発防止だけではなく事前の一策を常に怠らない。 過去の経験に学び、過去にどんな失敗をしたか、 かつてその失敗から何を学んだのかの記録を取り、 教育や研修によって先輩から後輩へと過去の経験をきちんと伝承している。 今回のリコール問題は、何だったんでしょう? 今回は、ちょっとこの部分が抜けていたかな??? 3)『自分が楽になる事を考えろ』『誰がやっても同じモノが出来る』 トヨタには様々な『標準書』がある。 『作業要領書』『作業指導書』『品質チェック要領書』『ハグ取り替え作業要領書』などだ。 『標準書』は最初からトヨタにあったわけではない。 また全社一斉に導入された訳でもない。各職場で少しずつ作られてきた。 なぜ『標準書』を作らねばならないかというと「自分が楽になるため」だ。 だから、『標準書』には熟練作業者の「楽をして」働くコツが詰まっている。 ベテランの作業者はムダのない動きで作業を行う。そのコツをまとめたのが『標準書』なのだ。 『標準書』があればいざという時に困らない。『標準』とは「誰がやっても同じモノが出来るしくみ」だ。 これは、とっても大切ですね。 4)『自社の「基準」は何か』 例えば、多くの会社では在庫を減らす事に日々取り組んでいる。 しかしなかなか在庫を減らせない。問題は程度なのだ。「適正な」在庫を持てばよい。 「適正」かどうかを見るためには自社の基準を持っている事が必要で、 そのためには過去のデータとその分析を行う必要がある。「基準」作りがジャストインタイムの基本だ。 どんな会社でも、過去のデータを元に自社の基準を作る事が出来て、そこから全ての生産活動が始まる。 「自社の基準がなければ,自社の問題も解決できない」 霊岩洞 細川佳代子さん 武蔵が細川藩に身を置いた5年間この洞窟で自給自足の生活をしながら それまでに60回決闘をして倒した相手の観音様を彫ったり 水墨画を描いたり、あの有名な「五輪書」は、この霊岩洞で書き上げました。 ちなみに武蔵を研究している学者は水墨画のタッチを観て 「武蔵は左利き」と結論付けています。 洞窟で細川さんにガイドをして頂いてます。 つまり、忙しさにかまけてバタバタとした作業の中からは『カイゼン』は生まれない。 作業のデーターをしっかり取って何が足りなくて、何が必要なのか。 その中にムダ・ムラ・ムリが潜んでいないか? これを検証してフィードバックそして平準化なんですね。 6回に渡ってシリーズでお伝えした『人を育てるトヨタの口癖』は今日で終了です。 いずれ、HondaのDNAをお伝えしたいと思います。 いかがだったでしょうか?お役に立ちましたか? |