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個々の力を生かすチームプレイ

2022/09/30

投稿者:水内 大介

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27日(火)の定休日、私は夕方より新しくなった旧市民会館跡の八幡浜市民文化活動センター大ホール(コミカン忠八ホール)へ。

先日のブログでも紹介しました八幡浜経済研究会主催の設立35周年記念事業「元ラグビー日本代表キャプテン廣瀬俊朗 講演&トークセッション」が開催されました。
テーマは「個々の力を生かすチームプレイ~未来につなぐ八幡浜~」。
私は司会という大役を仰せつかり、これまで廣瀬さんの事務所と打ち合わせを重ね、当日もリハーサルを兼ねて少し早めに会場入り。
久しぶりに良い緊張感を味わせていただきました。


廣瀬さんは5歳からラグビーを始め、大阪では府内屈指の進学校である北野高校から慶応大学、そして東芝ブレイブブルーパスで活躍し、2012年~13年の2年間は日本代表のキャプテンを務めてこられました。
近年ではドラマ「ノーサイド・ゲーム」や「news zero」などテレビなどにもよくお見掛けし、株式会社HiRAKUを設立され事業家としても幅広く活躍されています。
高校・大学・社会人・日本代表のいずれのカテゴリーでもキャプテンを務められているのは廣瀬さん自身の人望の厚さを証明しており、ラグビーは言うまでもなく超一流ながらも頭脳明晰で人間性も素晴らしく、先日の講演でもそれらが十分伝わりました。

お話の中で特に印象に残った言葉は2つあります。
1つは日本ラグビーを世界トップレベル引き上げた名監督であるエディ・ジョーンズとのエピソード。
日本人は体格的にもパワーも欧米やオセアニアのチームより劣っているいるのは明白です。
ジョーンズ監督は日本は日本にしか出来ないラグビーをすれば良いという方針で廣瀬キャプテンと日本代表の改革に取り組みました。
日本人は背が低くて足が短いがそれを逆に有利に活かす発想です。
日本人は小柄でも柔道やレスリングが強い。
それはタックルの俊敏性や倒れた時の起き上がるスピードに秀でており、それらを研究してラグビーにも活用したそうです。
今まで弱点と思われていた固定概念を覆し、日本人にしか出来ないオリジナリティを追及してそれを武器にするという発想。
これは私たちの仕事にも活かせるような気がしました。

私たちの自動車ディーラーは各メーカー違う特色の商品を取り扱っていますが、その商品自身は自分たちでこうすればもっと良いのにと思っていても自ら作ることは出来ません。
自動車メーカーが作ったものを販売する立場で、その販売手法も大きな枠組みで言えばHondaならHondaの全国で統一された施策を展開して販売していかねばなりません。
Hondaという統一されたブランド展開を行っていくことはとても大事なことで、そこから大きく逸脱するべきではないと思います。
しかしラグビー日本代表のような視点で言えば、画一的な商品や決められた施策のみで戦っていては私たちのような地方の小さな販売店はダメだと思います。
統一されたHondaブランドの展開の中で、地域性や弊社独自の優位性やオリジナリティを見つけ実践で発揮し武器にする。
そういった感性を持ち続けて商売する大切さを学びました。


もう1つの印象に残った言葉です。
会場には県内屈指の強豪校である八幡浜工業高校のサッカー部の生徒の皆さんも来られていました。
その生徒さんからの質問で「先取点を取られると流れが悪くなるのが弱点ですが、そういった悪い展開を打破するためにキャプテンとして試合中どのような取り組みをしましたか?」という内容でした。
廣瀬さんは点を取られた直後の短い時間で、抽象的な「がんばろう」とか「挽回しよう」といった言葉ではなく具体的な行動を示す声掛けをする。
そして全員に声を掛けられないのであれば、近くのポジションの選手同士は必ずそういった具体的な言葉を掛け合うということを大切にしてきたと話されていました。
その廣瀬さんのアドバイスもなるほどと思わせる内容でした。
これも仕事に使える行動学で、リーダー・経験者・年長者は全体の状況を把握したうえで、個々に的確な改善策を提示することがとても重要で、今回の演題である「個々の力を生かすチームプレイ」に繋がる内容でした。


ラグビー日本代表選手なので、正直がっちりといかつい体格や表情をイメージしがちですが、現役時代から15kgほど体重も絞り表情も柔和で、話しぶりの口調も穏やかそのもので、イメージと印象のギャップを感じました。
私も直接お話しさせていただき、インテリジェンスを感じる紳士でした。


地域唯一のラグビー部であった八幡浜高校ラグビー部は残念ながら1年生の入部がなかったようで廃部の岐路に立たされています。
私の伯父もOBで長い伝統のラグビー部でしたが、少子化の影響をモロに受けています。
そういう地域の状況の中で、講演後1人の少年が廣瀬さんの元に駆け寄り、話を聞くと八幡浜から松山へラグビー教室に通っているということでした。
少年はとても目を輝かせて、持っていたラグビーボールに廣瀬さんからサインを快く書いてもらっていました。
廣瀬さんと少年は一緒に記念撮影も撮っていただきました。
少年にとっても将来に亘って宝になる出来事だったのではないでしょうか。
そういう場をご提供できたことに、八幡浜経済研究会の一員としてとても有意義な時間となりました。

司会に関して言えば、八幡浜青年会議所(JC)時代はよく経験させていただきましたが、ブランクを感じさせる拙いもので反省しています(笑)
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2022年9月29日愛媛新聞朝刊

※写真は当日来場していただきましたお客様より拝借

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