
平日のお昼過ぎ…
今日も歩いて1分程度のお店に出向く 私がこの時間をランチタイムにしている事には理由がある
通っているお店が 12時~13時の1時間しか営業していないからである
本日も
古びた暖簾をくぐり 少し傾いた引戸を開け店内に入る
「いらっしゃい」
いつもの女将の声で出迎えられる
80代の女将は今日も明るく元気だ
その後、店内のカウンター奥の棚に目をやると本日の日替わりメニューが目に入る
今日は「オムライス定食」だ
私は日替わり定食以外オーダーしない…
「大」
飯の量だけ伝える至ってシンプルなオーダーである
オーダー後は女将と会話を交わしながら「オムライス定食」の出来上がりを待つ
会話をはじめて5分後、女将の息子の50代の大将が奥の厨房から膳を持って現れる 定食の登場である
「おまちどぉ~」
基本のオムライスに茄子のお浸し 福神漬けにお味噌汁の構成だ
オムライスはオーソドックなチキンライスの上に少し焦げ目の付いた卵焼きが覆いかぶさる
世間ではふわとろのオムライスがもてはやされているが、むしろ十分である
しかし、オムライスばかりに目がいくが注目すべきは小鉢であろう
このお店、夜は居酒屋を営んでいる しっかり出汁で味付けされた茄子は主役にもなりえる存在感だ
味噌汁は言うまでもない
食事が終えそうになるとカウンター奥で見ている女将がサービスの珈琲をそっと差し出してくる
絶妙のタイミングだ
オムライスで満たされたお腹に邪魔をしない程度の量である
本日のランチタイムを堪能しお会計へと進む
「ごちそうさん、ありがとう」と席を立ち 大将の待つレジで700円を渡す
ご飯の大盛で+50円なのである
大将がいつもの調子で電源の入っていないレジを手動であけ50円を差し出す
「いつもありがとうございますぅ~」
私は50円を受け取り 少し傾いた引戸を開け古びた暖簾をくぐり、雲一つない秋晴れの空を見上げ重い足を会社に向けた