新型STEPWGN 記事編
開発責任者の声を集めました

「自信作!」新型ホンダ・ステップワゴン わくわくゲートはどうなった?開発責任者に訊いた
きれいな箱を作りたい…開発責任者[インタビュー]
素敵な“暮らし”を感じてもらう…CMFデザイナー [インタビュー]
現行が「売れなかったところ」を認めて再出発! 工場まで作り替えちゃった新型ステップワゴンの秘密を直撃インタビュー
新型ステップワゴンはインテリアも凄い! オデッセイ乗りをも納得させる中身をデザイナーに直撃した
【ホンダ ステップワゴン 新型】初代や2代目の完成度をモチーフに…エクステリアデザイナー[インタビュー]
フルモデルチェンジ版・ホンダ新型ステップワゴンの開発関係者に色々聞いてきた!「最も売れているボディカラーは?」「なぜ発売時期が5月なのか?」など
ホンダ、新型「ステップワゴン」開発陣による商品コンセプト解説



Motor Fan様
「自信作!」新型ホンダ・ステップワゴン わくわくゲートはどうなった?開発責任者に訊いた
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(以下、抜粋)

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Q.伺いたかったのは、先代は、わくわくゲートを含めてちょっと変わったことをトライしていました。それがマーケットで受けたのかどうかを見極めてからじゃないと新型の開発の方向性が決められないのではないか……と。
A.見極めてます。

Q.見極めた結果、新型はこういう方向に戻った方がいいという判断した、と。なるべくシンプルに、という方向に行こうと。
A.正直言って開発をスタートした頃、私はわくわくゲートはオプションとして残したかったんですよね。ただいろいろ検討はしたんですよ。まず、わくわくゲートを購入された方は非常にこれは使えるってみなさん口を揃えておっしゃるのですよ。その一方で、最初のデザインが非対称であることがリジェクト要因(買わない理由)になって、はなっからショッピングリストに載らない方も非常に多かったんですね。

Q.なるほど。好き嫌いがはっきり分かれたわけですね。
A.それで営業サイドからあれ(わくわくゲート)はもうダメですっていう話がありました。
 その後、いろいろスケッチを描いてみて、対称に近いけれどもいわゆる縦線があってワクワクがあるようなデザインを調査にかけたんです。その結果、リヤゲートに縦線があるのが嫌って結論なんですよ。そのデザインは嫌だっていうのが圧倒的でした。
 それでわくわくゲートをオプションしようとするとコストがかかりすぎる。全車に採用しない限りはわくわくゲートはありえないっていう話になりました。
 ただやめるだけでは芸がないので、それに代用できるような装備としてPTG(パワーテールゲート)を用意しました。それもですね、わくわくゲートが開くこの後ろまででPTGを開けると、どのくらいの荷物が詰めるかを考えると、ほぼこれは事足りるね、となりました。わくわくゲートをほぼ代用できると言い切れはしませんけど、それに近いことはできる、と。これで代用させる話と同時に、「そもそも論」になったんですよ。「そもそもテールゲートを開けて荷物を入れる時ってどういう時?」ってことです。買い物行ったら普通にスライドドア開けて後部座席に置くよねって。お母さんがわざわざテールゲートの中に荷物を入れる頻度って、そんなないんですよ、そもそも。だとすると、PTGでこと足りて、それで新型はロングスライドがあるから、後ろをすごく広くできるので、なんでもここに積めちゃうよね、と。だとすると、あえてわくわくゲートを入れないでもこと足りるね、となりました。

Q.PTG(パワーテールゲート)はスパーダ(SPADA)に標準装備していますね。
A.はい。エアー(AIR)はあえてPTGをなしにしたんですよ。それでも結局、これで問題にはならないだろうと、考えています。ただし、今後は市場の声、お客様の声を聞いてどうするか決めればいいよね、と思っています。

Q.プレゼンテーションで”ミニバンネイティブ”という話がありました。
※ミニバンネイティブとは、【STEPWGNが誕生した1996年、2021年に30歳になるターゲット層は当時5歳で、物心ついたころからミニバンがあった世代】、としてホンダが定義したもの
 生まれた時からミニバンがあって、ミニバンに乗って育ってきてる世代が買うというお話です。ミニバンネイティブは、デザインも含めてどのくらい商品開発を左右するのか。1996年の初代ステップワゴンが爆発的に売れました。その前にオデッセイの大ヒットがあって、こういう商用車っぽくないピープルムーバーが、道具としてすごく楽しくてキャンプにもいくし買い物にもいく便利さに、みんなが憧れてすごく売れた。そこで子供時代を過ごした人が、今30代40代になっているってことですね。
A.私はミニバンネイティブではなかったので、オデッセイを買いました(笑)。やっぱり、当時はああいう箱型にはちょっと抵抗がありまして、オデッセイに流れたんですけど(笑)、おそらくミニバンネイティブたちはそういう感覚がないだろうな、と。最初からミニバンは楽しいものだと思ってるはずなんですよ。家族でみんなで出かけられて。だからこそ、ミニバンネイティブは、楽しかった思い出をそのまま、こういうクルマで出かけたいなっていうようなものを新型ステップワゴンで感じていただきたいなと思っています。

(略)

Q.新型ステップワゴンは、AIRとSPADAで商品性を明確に分けました。今までSPADAが9割を占めていました。新型は販売台数が増えると想定した場合、AIRを何%にしたいという目標はあるのですか? SPADAは今まで以上に売れるという前提で。
A.販売台数は圧倒的に増えていただかないと困るんですけど、ほぼ4割がこっち(AIR)にしたいです。シンプル、ナチュラルを求めている層が約3割いると想定しているので、AIRは、もっと売れるんではないかと考えています。

Q.それはトレンドが変わってきて、流行というかムードが変わってくるからですか。
A.やはり昨今、家電のカタチが変わってきています。電気販売店へ行くと、キューブ形の洗濯機だとか、デザインを入れたものってシンプルな方向にいってるんですね、どれもこれも。それは兆しだろうと感じています。こういう方向に世の中が流れていく。要は意味のないものをつけるのではなくて、削ぎ落として素にしたような、そういうカタチをきれいに思う方々が増えていくと思っています。だからこそ、こいつ(新型ステップワゴン)がこれから、結構トレンドになっていくんじゃないかな、と。ある意味、勝負ですから。

Q.初代のような大ヒットがまた再現できるといいですね。 第一印象として、可能性は充分あると感じました。きれいでかわいいけど大人が乗れるミニバンだと。
A.とにかくパッと見てきれいだなんと思えるものにしたかったんですよ。

(略)

Q.一時期、ミニバンってものすごくシートアレンジできる時期があったじゃないですか? あの多彩なアレンジって本当に使われていたのですか?
A.聞き取り調査を含めていろいろやりました。シートはどのくらい動かしますか、週に何回?とか全部調べました。結局、シートって一度決めると、そのあとはほとんど動かさないんですよ。

Q.でも購入するときは、きっと違うんですよね。
A.いろいろなことを考えて買っていただくのですが、実際はもう動かさないです。

Q.難しいですよね、買うときはさまざまシーンを夢見て、こういうシートアレンジができた方がいいって考える……。
A.現行のわくわくゲートのユーザーは、本当面白かったですね。まず7、8割はゲート側のシートは格納している。それに対して意外と他社さんミニバンは跳ね上げシートは跳ね上げてないんです。そのままシートは出たままになっています。

Q.ミニバンのターゲット層は、30~40代で年収はこれくらい、どこにボリュームゾンがあるか。言い換えると、ターゲットは明確です。
A.ミニバンは、かなり山がはっきりしているんですよ。例えばヴェゼルだと、年齢に山がありません。フリードだと広範囲に渡っている。フリードだと私くらいの年齢でも買うんでしょうね。しかし、ステップワゴンは、完全にファミリー、子育て世代です。片っ端からデータを見て分析しました。

Q.じゃあ自信作ですね、新型ステップワゴンは。
A.はい。自信作です。

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Response様
【ステップワゴン 新型】きれいな箱を作りたい…開発責任者[インタビュー]
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(以下、抜粋)
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Q.ステップワゴンは長い歴史があるクルマです。(開発責任者の)蟻坂さんは担当するにあたって、新型をどういうクルマにしたいと思われましたか。
A.私が目指したのは、ドアを開けた瞬間に乗り込みたくなるクルマです。とにかく嫌味がないクルマにしたかった。とにかく変な癖がないクルマ。本当に普通のクルマにしたかったんですね。

 最近競合も含めて内外装ともいろいろついていたり、手が入っていたりしますよね。でも結局ミニバンは箱なんです。“ライフエクスパンダーボックス”というコンセプトにしたものそういう意味なんです。でも、最近のミニバンは箱なのになんでこんなにしちゃうんだろうな(ごちゃごちゃしたデザインなど)っていうのがありましたので、普通にきれいな箱を作りたいと思いました。

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Q.新型を開発するにあたり、先代の振り返りもやられたと思います。先代ユーザーや競合車を購入した方達からステップワゴンの魅力や購入見合わせ理由などはどういったものだったのでしょう。
A.購入された方は、わくわくゲートはほんとうに良い、とても便利だと評価してもらえました。あとは、動的性能もとても高評価をいただいておりました。
 ただし、動的性能は、購入重視点の上位項目じゃなく結構下の方なんですね。そこは飛び抜けて良いんですけれども、それが購入意欲には結びついていなかったのです。

  また、パッと見たときのリアの非対称デザインが、かなりリジェクトリーズン(否定的要素)になっていました。あとは、クルマが小さく見えるというのも結構ありました。ですから今回は、大きく見せようという話をしたのと、シートアレンジが少ないこともリジェクトされていた理由でしたので、そのあたりは絶対にやらなければいけないなと考えました。
 ただしホンダだけが格納式の3列目のシート(ダイブダウン)があり、これは高評価でしたのでそのまま踏襲しています。

Q.今回のターゲットユーザーの調査結果を見ると、約7割が従来の高級、オラオラ、スタイリッシュさを求め、残りの約3割がナチュラルなイメージと2つに分かれていると説明がありました。もともとのステップワゴンユーザーはどちらを好んでいたのでしょうか。
A. 難しい質問ですね。ひとついえるのは、歴代ステップワゴンの中でいうと、最初の頃のステップワゴンが良いという意見はかなりありました。そしてだんだんステップワゴンではなくなって来ていると、ステップワゴン好きの人からはいわれるのです。つまり先代ステップワゴンを購入しているユーザーは、どちらかというとステップワゴンだから購入しているのではなく、実用的だと感じて買っていらっしゃる方が多いみたいですね。格好良いから買うのではなく、単に実用的だから買っている。ですので、もともとのステップワゴン好きからは、先代はステップワゴンではないとまでいわれました。

 そこで、大きく見えて、かつどこに停めても違和感のないクルマを目指したのです。先代以前にお乗りの方々の中には先代を買わないで新型を待っている人もいるのですね。そういう人たちの買い替えも促したいと思っています。個人的には4代目ステップワゴンに乗っていた人たちは、結構このクルマは響くと思いますよ。

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Q.このセグメントにおいても、デザインは購入重視点としては非常に高いのですね。
A.高いです! かなり上位ランクです。価格と同じくらいのレベルでデザインが来るでしょう。上位3つに入るでしょうね。

Q.そこと居住性が先代は弱かったと。
A.はい、完全なネックになって、結構苦戦したのです。

Q.そうすると新型に関しては先代全否定にも聞こえますね。
A.先代モデルは良いクルマなんですよ。だからもったいないと私は思っています。わくわくゲートを使っていた方は本当に良いといっているのですが、実はその訴求の仕方が最初に響かなかったと考えています。本当だったらCMで狭いところで荷物を入れているような、そういうことが出来るようなことをアピールすれば良かったんですね。

 なのに、子供たちがいっぱい乗り降りするところを流してしまった。本当はそうじゃない、そのために使うものじゃない。そのあたりの訴求がちょっと違っていたと思います。そのCMを放映してしまったものだから、営業サイドとしてもどうやって説明していいかわからなくなってしまった、何に使うんだろうって。ですから今回はそういうことがないように、徹底的に営業サイドとも、装備等に関してどのように使うのかという勉強会などもずっとやりました。

Q.その結果、テールゲートは普通のバックゲートにしたわけですね。
A.もうひとつ、わくわくゲートはとてつもなく重かったんですよ。ドアにドアが付いているので、かなりの剛性がないと出来ません。実はこれをやめただけで、ボディを合わせると20kg近く軽くなりました。

 その結果、テールゲートが軽くなりましたので、AIRはパワーテールゲートの採用はしませんでした。スライドドアやパワースライドドアの場合ですと、お客様は、買い物の荷物はスライドドアを開けて後ろの席に置くんですね。わざわざテールゲートは開けないんです。そうすると基本的に大きな荷物を入れない限りは、スライドドアで事足りるはずなので、あえてAIRはつけませんでした。ただし、色々欲しいという方もけっこうこれから増えるのかなという考えもありますので、スパーダには装備しています。この後はお客様の反応を見ていこうと思っています。

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Q.テールゲートを全部開けるのではなくリアウインドウだけ開くパターンもありますね。
A.はい、これも考えました。ただ、女性に色々話を聞くと、これは服が汚れちゃうというんですね。開けた時にリアゲートに服がくっついちゃうので、女性は嫌がるのです。雨の日だと濡れちゃいますし、絶対触っちゃうんですよね服が。そういう話を聞いて、なるほどなと思いまして、そういうこともあってこれは採用しませんでした。

Q.そのリアゲートのウインドウにステップワゴンのイラストが入っているようですね。
A.はい、実は私は知らなかったんです。いつの間にかインテリアデザインの矢口(インテリアデザイン担当の矢口史浩氏)が色々なものを入れていました(爆笑)。なので別に好きにやってって。こういうのがSNSなどで拡散されて、いわばミッキーを探せのようになってくれたらいいなと思っています。本当にいろいろなところに仕込んでいますよ。

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Q.AIRとスパーダはどういう人たちに乗ってほしいと考えていますか?
A.どういう人たちに乗ってほしいというよりも、このクルマから出てくることによって、あの家族、センスいいなって見られるようになってもらいたいんですよ、要はクルマが格好良いではなく、乗ってる家族が格好良い。そういうクルマを目指しています。

 グランドコンセプトは“素敵な暮らし”です。そういう暮らしをしていただきたい。そのためのアイテムになればなと思って、そういう気持ちで作っています。

Q.クルマが主役ではなく、家族が主役ですね。
A.はい。そのためにこのクルマを道具として使ってほしい。で、その道具となるためにどうすればみんなが使いやすくなるかなということを考えています。ですから乗員がみんな快適でいられること。そこはメンバーに徹底しましたね。ですから室内のサイド部分で前から後までソフトパッドを通すということも、とにかく絶対にお金じゃない、3列目まで絶対に通そうといいました。実はテールゲートのライニングにも通したいといったんですけど、設計者からさすがにそれはやめてくださいといわれてしまいました(苦笑)。

 企画時点ではお金を管理している側から3rdシートのサイド部分のソフトパッドは外しませんかという話もやっぱり来たんですよ。しかしダメだ、これを抜いちゃったら、3列目がまた乗りたくない席になってしまう。そう思われたらもう駄目だと。結構この手のクルマは、おじいちゃんおばあちゃんが3列目に乗っていただくことが多いんですね。その時に自信をもって3列目に座ってくださいっていえるような座り心地、乗り心地にしたかったんです。

Q.実際に乗るのが楽しみですね。
A.実は私は、テスト系の人間ですのでお楽しみという感じですね。先代ステップワゴンの動的性能は正直にいって、他車には全く負けていません、最高です。ただ先代モデルでは3rdシートの乗り心地がちょっと悪かったんですね。なので新型では改善しています。本当は動的な部分も語りたいのですが、今回はコンセプトとデザインということなので、ご期待ください。

Q.最後に何かいい残したことがあればぜひお話しください。
A.これはお願いしたいことなんですが、やはりこれからの時代は、こういうクルマがあるべきだということを普及していただきたいなって思っています。

Q.こういうクルマというのは。
A.自然でゴテゴテしていないクルマです。デザインするときにデザイナーに、高級輸入SUVが並んでいる表参道などで、その間に入っても全然恥ずかしくないクルマにしてほしいといいました。そう見えるクルマが出てくることで、これからの時代が始まるんだと思っています。

 昨今の家電製品を見ると、昔と違ってごちゃごちゃしていなくてすっきりしていますよね。iPhoneもいったん丸くなりましたが、いまはしっかりとスッキリさせています。その結果、やっぱりiPhoneはこうだよなって思わせています。

 このステップワゴンはつまり原点回帰なんですよ。初代に原点回帰をして現代風にアレンジしたのです。例えば『ミニクーパー』は、いつの間にか全然違うクルマのようになりましたが、やっぱりしっかりと面影を残していますよね。それがあのクルマの正常進化だと私は思っています。そういうことをこのステップワゴンでもちゃんとやりたかったのです。

Q.そうするとそれはステップワゴンらしさに繋がると思うのですが、それは何ですか。
A.それは、きれいな箱です。

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Response様
【ホンダ ステップワゴン 新型】素敵な“暮らし”を感じてもらう…CMFデザイナー [インタビュー]
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(以下、抜粋)
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CMFデザイナーに詳しく話を聞いた。CMFとはCOLOR(色)、MATERIAL(素材)、FINISH(表面加工)のこと。

◆シンプル&クリーンなAIR
 本田技研オートモービルセンターデザイン室プロダクトデザインスタジオ研究員CMFデザイナーの唐見麻由香さんによると、AIRとスパーダは完全に世界観を分けているという。

 AIRのコンセプトは、「シンプル&クリーンで、自宅のリビングにいるような、子供たちの笑い声が聞こえてくるような雰囲気を目指して色合いやコーディネート。汚れに対するタフネスも考慮した」。

 ボディカラーは、「明るくて豊かな生活を想起させるもので、優しくてソリッドライクな色調のフィヨルドミストパールという色をコンセプトカラーとし、シーグラスブルーパールも専用色として用意。グリルモールやオーナメントはクロームで統一し、シンプルでも質の良さを際立たせるようなコーディネートだ」と説明。

 インテリアカラーはグレーとブラックの2種類。「ソファのようにざっくりとした生地をシート、インパネ、ドア、サイドライニングにまで用い、リビングのようなリラックス出来るコーディネートになってる」と述べる。また、インパネやドアなど手の触れやすいところには撥水撥油加工が為され、「小さな子供たちは隠れ家のような3rdシートは大好き。そこで1列目と2列目のシート背面にはプライムスムースレザーを用い、後から足でけったり汚い手で触ったりしてもすぐに拭き取れるようにしている」と車内での利便性にも気を使っている。

◆スパーダはスタイリッシュ&クォリティ
 スパーダのコンセプトは、「スタイリッシュ&クォリティ。時には自分の時間に浸ることも大切にしたい、成熟したファミリーをイメージ」。そこで、「力強さと上質さを表現するダークカラーを基調にしたコーディネートだ」と唐見さん。ボディカラーは、「スパーダの世界観を表現する暗めの色をラインナップ。トワイライトミストパールとミッドナイトブルービームがスパーダ専用色で、ボディの下回りを一周しているメッキモールはダーククロムを採用し、重厚感を演出している」とのこと。

 内装色は、スパーダの世界観を表現するブラックのみとされ、「ルーフライニングまでブラックに統一することで、室内全体の上質感と迫力を演出。力強さと上質感を表現するダークカラーを基調とした内装に、緻密なソフトウィーブとプライムスムースのコンビシート、インパネやドアトリムにもプライムスムースをコーディネートした上質な空間となっている」と述べる。また、メイン材のソフトウィーブ部分にはファブテクト加工が為されている。

◆素敵な暮らしとは何だろう
 ここからはもう少し細かくお話を聞いてみよう。

----:ステップワゴンのグランドコンセプトの下、CMFとしてのコンセプトがあると思うのですがいかがですか。

唐見:グランドコンセプトの“素敵な暮らし”というのが、私たちの目指す非常に大きな姿です。そこから全ての形とか色、それからレイアウトも含めて開発していきますので、素敵な暮らしとは何だろうというところが、一番大きな上位概念だったんです。

 そこからAIRとスパーダという2つの形になったんですけれど、それぞれのCMFのコンセプトとして、AIRはシンプル&クリーン、スパーダはスタイリッシュ&クォリティとなりました。

----:唐見さんが「素敵な暮らし」と聞いたとき、どういうイメージを持ちましたか。

唐見:私も仕事をしながら、プライベートも大切にしたいと思ってはいるんですけれど、やはりプライベートはなかなか仕事をしていると大切に出来ないところがありますね。本当は私も家をキレイにして、お洗濯ものとかもきれいに畳んで戻して、食べるものもちゃんと調理をして食べるような丁寧な暮らしをしたいと思っているんですけれど、どうしてもそのあたりは、忙しい毎日だとおろそかにしてしまうときもあります。やはり生活の丁寧さは自分の人生に向き合うみたいなことだと思うので、そこをすごく大切にしたいと思っているんです。

 最近は携帯などがありますので、家族で過ごしている時ですらも、自然と携帯をいじっちゃうみたいなことがあります。それは家族に対しての丁寧さみたいなところも捨て去っちゃってるようにも感じていますので、自分に対しても、それから家族に対しても、丁寧でありたいというのが、このクルマの素敵な暮らしかなと思っています。

----:以前に聞いたことがあるのですが、小さな子供がいるご家庭だと、クルマで並んで座る、あるいは前後に座った時に色々お話が出来るというんですね。それは、小さくても自我が目覚めていて対面では話しにくい。そういう時に横や前後だと、何となく話すことが出来るので、クルマの中でテレビなどは見せないというのです。クルマの空間にはそういう世界観もあるのですね。このステップワゴンAIRを見た時にそうことが可能な空間だという印象を感じました。

唐見:そうですね。車内の雰囲気として、家のリビングみたいなものを目指しました。シートの生地も含めて、リラックしてくつろいだ感覚を打ち出せるようにしたいと思っています。クルマを運転しているときや乗っているときは、自分も携帯を使わないですし、家族に気を使う、気を配っていますので、話がしやすかったりするんですよね。家とか喫茶店だとつい雑誌を読んじゃったりしてしまいますが。いま、クルマはかなり特殊な空間になっていて、そこが子供たちと話す時の時間に繋がりやすかったり、昔でいうリビングがもうクルマの中になってるんじゃないかなとも思っています。

◆主張しない、主張する
----:今回の両方のグレードで、CMFとして一番こだわったことはなんですか。

唐見:AIRでいうと、柔らかさとか明るい雰囲気、子供たちの声が聞こえてくるような雰囲気を、見た瞬間に感じてもらうということにすごくこだわっています。なので、結構地味ですけどシート表皮も、いわゆる柄物とか、そういうものではなくて、ちょっとざっくりした織物っぽいものを表現しているんです。見た時にはなんとも思わないので、人の心に入ってこないんですよね。でもよく見たらリラックス出来る素材感で、あまり主張しないようにしているのです。主役は家族ですからね。そのように主張はしないんですが、なんとなくふんわりみんなの幸せが感じられるようなところを表現しようとしているところがポイントです。

----:確かに例えば『NSX』や『S660』のようにCMFが主張しては来ませんね。

唐見:そうなんです。なのでこだわりポイントを説明するのがすごく難しいんですけれど、そのこだわりが見えないようにするのがこだわり。空間のやわらかさとかを感じさせるのがこだわりです。

----:一方でスパーダは主張を感じますね。

唐見:スパーダの方は従来のクルマ価値みたいなところをちゃんと取り込んでいるんです。AIRが日常や部屋の空間の無意識の延長だとすれば、スパーダはちゃんと意識させるということを作り分けています。つまり、自分はこのクルマに乗っていることを楽しむとか、このクルマを持っていることに喜びを感じたいみたいなところを、クルマを通して意識してもらいたいと思って開発しています。

----:因みに内装色はなぜ黒なのでしょう。確かに定番として黒はあると思いますが、グランドコンセプトを考えると、黒以外もあったと考えられますが。

唐見:実はダークブラウンとか、ダークブルーのような色も当然検討はしてたんですけれど、やはりここは分かりやすさ、一番わかりやすい見せ方に今回はこだわりました。そこで色数も絞り、わかりやすさにもこだわることを最初の立ち上がり時点では意識しています。

◆二転三転
----:AIRのフィヨルドミスとバールはシンプルなボディをとても強調しているカラーだと思いました。この色調を出すのが苦労したんだろうと想像します。

唐見:これは色を決めるまでに二転三転して、やはりシンプルですから、同じくシンプルな、例えばベージュ系とかそういう色が良いのかなと思って、2代目ステップワゴンを買って何度も塗りなおしました。クルマを半分ずつ右と左で違う色を塗って、若干明度を変えて塗ってみたりしたのですが、どうしてもしっくりこなくて。でも最後の最後は、そうじゃないのかもな、シンプルだからベージュとかじゃないのかもと考え直したのです。インテリアは、リビングになじむような色で、人の心が明るくなるようなもの。そしてちょっと樽型の四角いボディの形に似合うものというところで考えなおして出たのがこの色です。

 ちょっとソリッドっぽく見えるんですけど、実はちゃんとパールを入れていてます。面が立っているクルマなので、完全にソリッドにしてしまうと、痩せて見えてしまうので、少しふっくらした見え方になるような処理はしています。

----:一方でスパーダは結構濃いですよね。

唐見:そうなんです。こちらの特徴はちょっと白く濁るみたいな、白っぽく縦面が出てくるというちょっと変わったニュアンスを出しています。そこがこのクルマが持っている柔らかさみたいなところを表現しているのです。

 ただスパーダは、皆さん力強さとか、重厚な感じをお求めになりますし、いままででしたらノーマルに対してのスパーダという性格の特徴がありましたので、そのあたりも意識して、新型では少し重厚な色味のものを持ってきています。

----:最後にCMFのデザイナーとしてのこだわりを教えてください。

唐見:パッと見ですと、あまりわからないと思うのですが、AIRの方にも実はシートにステッチを入れたりしています。それはお客様にわからないようなステッチなんですけど、それをやることで、シートがかっちりと綺麗な形に見えるような処理をしているのです。今回は本当にお客様に見せるためのデザインというよりも、お客様に感じてもらうためのデザインとを結構取り入れていますので、“主張しなげ”な様子を是非感じていただければと思います。

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WEB CARTOP様
現行が「売れなかったところ」を認めて再出発! 工場まで作り替えちゃった新型ステップワゴンの秘密を直撃インタビュー
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(以下、抜粋)
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 1月7日に世界初公開され、今春に発表・発売を予定している、新型6代目ホンダ・ステップワゴン。ミッドサイズFF背高ミニバンのパイオニアとして一代にしてその存在感を確固たるものにしながら、三代目以降はライバルの攻勢に押され、迷走が続いている感のあるこの基幹モデルを、どのように進化させてきたのだろうか? 開発責任者の蟻坂篤史LPLに聞いた。

──新型ステップワゴンの企画にあたっては歴代モデルの反省をされたということですが……。

蟻坂 ものすごくやりましたよ(苦笑)。私がステップワゴンの担当になった際、ちょうどステップワゴンの販売が一番厳しくなっていた時期だったんですよ。「このままではまずい」という所からスタートして、「これをフルモデルチェンジするなら、一体何が問題だったのかを検証しないと、現行モデルのPDCA(Plan-Do-Check-Act)だけではダメだよね。売れていた時のこともちゃんと考えよう」と。

 ウチの会社はよく、全部を変えて、リスタートをかけるようなことをしていたんですが、「そうじゃないよ」と。「良い所は何が良かったのか、悪い所は何が悪かったのか、そういうことをちゃんと考えたうえで次を企画しないとダメだね」という所からスタートしました。初代と2代目は本当に売れましたからね……。

 ただ、その時は、競合がいなかったんですね。他車はまだキャブオーバーでしたから。そうすると、「最初に何を求めていたんだっけ?」という所から考えてみると、「家族がちゃんと移動できる、乗用車的なハコ」を作っていただけなんですよ。だからこそ、今回目指したのは「ハコ」なんです。「しっかりとしたハコを作ろう」と。それも、きれいな「ハコ」を。私がずっとデザイナーに言い続けていたのは「これはとにかくハコだから。ハコを作るんだよ。だけど、きれいなハコ」と。

──新型のデザインは本当に素晴らしいですね。すごくスッキリしていて……それは最近のデザイントレンドでもあると思いますが、それ以上にモダンさと、ホンダさんらしいポップな雰囲気があって。

蟻坂 ありがとうございます。なかなか……本当に苦労しましたけどね(笑)。この形になるまでに紆余曲折ありました。最初は全然違う形だったんですよ。最終形のようなスケッチはあったんですが、クレイを削って作る時に、全然違う形になってしまって……いろいろ凄かったんですよ(笑)。

 Aピラーの位置を引いたと説明しているのですが、最初はもっと引いていたんです。引きすぎたら、視界は良いけどキャビンが狭くなってしまう。でも出しすぎると、今度は視界が悪くなってしまう。ではどの辺が丁度良いか……と考えて決めたのが、あの位置です。全部試行錯誤しているんですよ。

 ボンネットの高さひとつ取っても、丁度良く見える位置にしましたが、あれももっと上げてみたんですよ。そうすると今度はクルマが大きく見えて、運転しにくくなってしまう。かと言って、もう少し下げると、今度は本当に見えなくなってしまう。ですので、ギリギリ見えるくらいの所に落ち着かせたんですね。運転している人から見てどうかで決めています。

──今回ベルトラインを現行モデルより上げているようで、絶対的な視界という意味ではこれはむしろ不利に思えますが……。

 蟻坂 私が最初に「ともかくベルトラインを上げましょう」と決めていたんです。クルマのバランス的に、窓が大きすぎると思ったんですよ。クルマとしてボディが小さく見えてしまう。ボディが大きく見えるけれど、いざ運転すると全然大きく感じないようにしました。というのは、大きく見えると安心感があるんです。今回ドアに厚みが感じられると思うんですが、そうすると乗っていて安心できるなと。ですので思い切ってベルトラインを上げました。そうすると、ドアの面が広くなるので、高級感があるような気持ちになれる。

──なるほど。下げすぎると、バスなど商用車のようになってしまうと。今回、クリーンなデザインを目指したとのことですが、私は新型ステップワゴンを見て初代モビリオを思い出しました。でも初代モビリオは電車……トラム(路面電車)を狙っていましたよね。

蟻坂 そうなんですよ。初代モビリオは本当にベルトラインが低かったんですよ。とてつもなく低くて「凄いな」と思いましたけど。ドアと窓が1:1というくらい窓が大きかったので(笑)。あのコンセプトは凄いと思いましたが、ステップワゴンはあれとは違うなと。

──ステップワゴンは乗るユーザーがステイタスシンボルとしている所がありますよね。オラオラ顔を求めるユーザーが7割というお話がありましたが……新型のデザインは、どちらから先に着手したんですか?

蟻坂 またそういう……激しいことを訊きますね。ちょっと言いづらいですね(苦笑)。

──雰囲気としては「エアー」の方がスタート地点だったように感じられますね。パッケージングも含めて。ですからスパーダも、全然嫌味な感じがしませんよね。

蟻坂 はい、嫌味が一切ないクルマにしているので。ですので、本当に届けたいと思ったのは、素敵な暮らし。みんなが穏やかに安心して暮らせる生活を送るために作りました。クルマはただのアイテムなんですよ。主役は家族なんです。それに寄り添うクルマを最初に考えながらデザインしました。ですから、このクルマから降りてきた家族が「センスいいな」と見えるような……「このクルマ、格好良いな」じゃないんですよ。家族が格好良い。クルマが主役になってはダメなんですよ。

──御社の国内ラインアップ全体を見ると、オデッセイが販売終了となることが決定しています。必然的にステップワゴンが、ミニバンの中では車格がもっとも高いモデルということになりますが、装備内容を見ると、それを多分に意識されたように感じられます。

蟻坂 基本的に、付けられるものは付けました。ちゃんとしっかりしたものを、ただし「これはあるべきだろう」というものを考えて付けています。

──「スパーダ」には「プレミアムライン」というモデルも設定されるとのことですが、これは外見も大きく異なるのでしょうか?

蟻坂 そこは乞うご期待ということで(笑)。……正直そこまでは変えていません。考え方は一貫しております。

──こういうクルマのユーザーニーズはハッキリしていて、すごくオラオラな雰囲気にしたい人が多いと感じています。ホンダさんはそれを避けてきたからこそ苦しかった面もあったと思うのですが……。

蟻坂 今までは正直言ってそうです。ただし今回も、その考え方は変わっていません。やはりそこは避けます。そちらには行きません。というのは、無限さんがありますので、そういうニーズを取り込むのはそちらに頑張っていただこうと。そして、そういう要素を求める方は、エアロパーツにお金を出してくれる方なんですよ。自分でカスタマイズしたいからなんですね。他人とは違うものにしたいはずなんですよ。私はその気持ちが凄くわかるので、私ならベース車を買ってカスタマイズしますね(笑)。

──今までステップワゴンは狭山(埼玉製作所狭山完成車工場)で作られていましたが、狭山での生産は終了するので……。

蟻坂 寄居(埼玉製作所寄居完成車工場)に移ります。

──それに伴い、高さの制約は生じなかったのでしょうか?

蟻坂 凄いことを訊きますね(笑)。正直言うと……ありましたよ。ですので工場を一部作り替えています。

──そこまでしたんですか!?

蟻坂 だって、入らないから(笑)。しかもテールゲートが長いので、組み立てる時にはテールゲートが開いた状態になりますから、リヤのハンガー間距離がギリギリでした。それも作り替えています。もう大変でした、工場問題(笑)。

──このクルマのために、そこまでしたんですね。

蟻坂 はい。このクルマがこれからの国内のホンダを支えますから。

──3代目で全高を下げた際に、居住性や販売の面で厳しい所があったと思いますが……。

蟻坂 私、あの時のことを覚えていますよ、「ステップワゴンをぶっ壊せ」と。「何を言ってるんだこの人は」と(笑)。あれは悪いクルマではなかったんですけどね、「もう完全にスポーティに振るんだ」と。

──正直、同じことをするのかという心配はありました。

蟻坂 歴代モデルのPDCAの中で、3代目と5代目、全高を下げたことと「わくわくゲート」、一体何が問題だったのか、市場の反応を検証しました。3代目は、低くした瞬間に、車体が小さく見えてしまい、それで叩かれてしまったんですね。オデッセイの時も少しは言われましたが、低くするからにはかなりの覚悟と理由が必要になります。

──いくらフロアを下げて、数値上は同じ室内高を確保しても、絶対的な全高が低ければ、感覚的には閉塞感を覚えてしまうと私は考えています。

蟻坂 クルマが小さく見えるんですよ、もう。

──外見だけではなく、室内に座ってもそれは感じますよね。

蟻坂 はい。ですので新型は、室内も高く広く見えるようになっています。その辺はインテリアのデザインもかなり気を遣っています。

──2・3列目のヒップポイントを上げて、1・2列目シートのヘッドレストも高さを抑えていますよね。

蟻坂 はい。至る所で、どうしたら室内が広く見えるか、2・3列目の人がどうしたら快適になるかを考えています。3列目のヒップポイントが低いと、どうしても穴蔵のようになってしまうんですね。それを解消するためにエレベーションを付けて、3列目を高くしました。ですので見晴らしがかなり良くなっているはずですよ。

──それで逆に、3列目シートを厚くすることができ、かつ格納部にも収まるように……。

蟻坂 それを両立できるようにしています。ヘッドレストは、高さを下げているんですが、それだけではなく、シートを前後に大きくしています。そうすると、横から見た時に、シートが厚く見えるんですね。その方が高級感が出ますので。どれも厚く柔らかく見えるようにしていますね。

 他には、内外装とも、変な角を作らないようにしています。

──視覚的なノイズはかなり減りましたね。とくに、インパネ天面に分割線がないのは驚きました。

蟻坂 あれ、作るのは大変なんですよ。

──エアバッグの要件がありますよね。

蟻坂 そうですね。そうすると、その部分が引けてしまったり、いろいろあるんですよ(笑)。

──現行モデルの「わくわくゲート」に対するユーザーの評価はどうだったのでしょうか?

蟻坂 「わくわくゲート」は、購入ユーザーからは非常に好評でした。ですがデザイン面では、あれが購入選択肢から排除される最大の理由になることが非常に多かったんですね。それで営業スタッフが苦しんだということを結構聞きまして。縦線が入るデザインに対する意識調査もしたのですが、圧倒的にダメでした。

──縦の分割線が中央に引かれていれば良かったのではと、私は考えましたが……。

蟻坂 実はそれも、いろいろ考えたんですよ。デザインでもいろいろ描いていて「このデザインだったら受け入れられるか」という調査もしているんですが、それでもダメでしたね。

──「わくわくゲート」は、使い勝手の面では、狭い場所でも開けるという点でかなり……後方スペースが狭い駐車場環境のユーザーはとくに、大きなメリットがあったと思います。

蟻坂 痛し痒しでしたね。そこで今回は、パワーテールゲートを設定しました。これは開閉途中で止められますので、「わくわくゲート」の代替として使えるかなと。それに「わくわくゲート」は途轍もなく重かったので……。

──その有無だけで車重が10kg変わりますよね。

蟻坂 ゲート以外も入れればもっと変わります。ですから、いざ開けようとすると重くてしょうがないんですよ。しかも縦に長くて重い。

──しかも「わくわくゲート」には、パワーテールゲートを適用できませんよね。

蟻坂 付けられませんでした。今回は短く軽くしているので、パワーテールゲートなしでも大丈夫だと判断して、「エアー」には装着していません。それに、こういうクルマの場合、買い物程度なら荷物はリヤスライドドアから入れるでしょうと。横にクルマがあっても開けられますから。今回スライドドアには静電タッチ式の開閉機構を設定していますし。私は初代フリードに乗っていますが、自分自身、私の妻も、遠出の際などで大物を入れる時以外はテールゲートを開けないんですよ。買い物の時は、スライドドアから後部座席へ荷物を入れているんですね。

──走りに関しては現行モデルが、モデューロXやハイブリッド車が追加されたことで、大きな訴求点になっていたと思いますが……。

蟻坂 乞うご期待です。自信作ですから。

──プラットフォームは今回変更されているんですか?

蟻坂 基本は変わっていません。ただし、いろいろ変更しています。乗ったら驚くと思いますよ。

──価格はどうでしょうか? この内容ですと、相当上がりそうな予感がしますが……。

蟻坂 お値段も頑張っています。競争が激しいジャンルですので、むやみに高い値段は付けられません。一番大事なのは、多くのお客様に乗っていただくことですから。

──恐らく他の競合モデルも年内に一斉に世代交代すると思われますが、新型ステップワゴンの仕上がりに期待しています。ありがとうございました!**********************************
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WEB CARTOP様
新型ステップワゴンはインテリアも凄い! オデッセイ乗りをも納得させる中身をデザイナーに直撃した
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(以下、抜粋)
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  今春発売予定の新型6代目ホンダ・ステップワゴン。広さや乗降性、シートアレンジ、荷物の積載性など、室内空間の重要性が極めて高い、このミッドサイズFF背高ミニバンのパッケージングを、どのように構築したのか。本田技術研究所 デザインセンター オートモービルデザイン開発室 テクニカルデザインスタジオ パッケージデザイナーの市川聡子さんに聞いた。

──新型ステップワゴンでも5ナンバーサイズは維持されているのでしょうか? ……まだ詳しくは言えないと思いますが。

市川 そう……かもしれませんね(笑)。ステップワゴンは現行モデルの「スパーダ」も全幅は5ナンバーサイズを維持していますが、他社さんのエアロモデルはとっくの昔に5ナンバーサイズを超えていて、そちらが主流になっています。

──新型になって大きく変わったのはAピラーとのことですが……。

市川 そうですね、根元を後ろに引き、角度も立てたことで視界を改善しました。ほかにも大きな骨格では、ガラスセットを外に出しているんですね。その代わりに上側を絞っています。現行モデルは全体が反り返っているような、大きく見えるものの不安定なプロポーションだったので、今回は「安心」というコンセプトに沿って、樽形の断面形状になるよう工夫しています。ですので座っていただくとワイドに見えて、また、Aピラーを引くことでフロントウインドウもワイドに見えますので、それもひとつ上のクラスに感じさせる要素ですね。

 N-BOXもそうですが、幅の制限があるクルマは、どうしてもすべてが縦長にできてしまいがちです。今回はそうしたことがないような、今までより1.5倍広い感じがする骨格になっています。

──現行モデルはサイドウインドウが直立に近かったですね。

市川 はい、ハイエースなみに立っていたので、新型は面に張りを与えることで、安心感を持たせています。

──そうすることで空力的に有利に働く、ということはありますか? こういう背高ミニバンは横風に煽られやすい傾向にありますが……。

市川 私は空力の専門ではありませんが……ルーフレールやフロントウインドウガーニッシュなどの形状を最後の最後まで煮詰めていました。

──その分、室内の幅は……。

市川 現行モデルより広がっています。奥行きも、Aピラーを立てることで、頂点がだいぶ前に行きましたので、3列目に座るとルーフがすごく長く感じるんですね。それも広さに寄与していますね。ですからサンバイザーも非常に大きくなっています(笑)。最近のミニバンはワンモーションフォルムが多く、Aピラーの頂点が乗員に近かったんですね。

──はい、現行モデルも、運転席のヒップポイントを上げると、圧迫感が強かったですね。

市川 それが新型では全然感じられない、広く感じると思います。それが2・3列目にも効いて、室内が広く感じられるようになっていますね。

──実際の数値以上に広く感じる、と……。

市川 感じると思います。乗ってもらった人に「広い」と言ってもらえる理由を、私たちが逆に探ったくらいで(笑)。

──新型ではベルトラインを上げたとのことですが、それによって視界の要件は厳しくならなかったのでしょうか?

市川 現行モデルでは助手席側Aピラーの根元にサイドビューサポートミラーを設定していますが、新型ではそれは助手席側ドアミラーの下に移しています。それ以外には特に視界の要件はありませんので、上下のラインをきれいに通すことで、定規のように使え、運転しやすいよう配慮しています。

 また、現行モデルや他社製品で高速道路などを走った際、サイドの視界が広すぎるので、合流の時に怖いんですよ、トラックなどが真横に来ると。ではどの辺りがちょうどいいか、いろんなクルマを乗り比べして、新型ステップワゴンのベルトラインが、一番安心感があり見えなくもない、丁度良い高さということで決めました。N-BOXも丁度良い高さなんですよ。ちょうど新型ステップワゴンの開発を進めている頃にあおり運転が社会問題になり、怖い事故も多かったので、こういう安心感は大事だよねと。

──ベルトラインが低いほうが、真横や斜め後方を直接見やすいので、とくに車庫入れの際は楽だと感じますが……。

市川 アラウンドビューモニターなどのアシスト機能も画像がクリアになっていますので、その代わり車体側では絶対的な安心感を高める方に振っていますね。

──実際に運転席に座ってみると、フード左右のプレスラインがちゃんと見えますね。

市川 現行モデルはまったく見えなかったので……。新型は稜線がどれも四角く水平・垂直なので、車庫入れで斜めになりにくいよう、定規として使えるようにしています。

──インパネの天面もスッキリしていますね。

市川 そうですね、これに慣れると他のクルマに乗れなくなります(笑)。

──インパネシフトは、ストレートゲート式のものもあるんですね。

市川 はい、あります。e:HEVはスイッチ式になります。

──ガソリン車にはストレートゲート式のシフトレバーが装着されるんですね。これも最近社会問題になっていますが、誤操作による追突事故を防ぐという観点では、こちらのほうが良いと感じています。フィットではe:HEVにもストレートゲート式のシフトレバーが採用されており、これは見識だと思いましたが……。ミニバンではインパネ中央もできるだけコンパクトにしたいでしょうから、スイッチ式にしたいのもわかるのですが。

市川 そうなんですよね……。

──サンバイザーは確かにとても大きいですね。とくに冬の季節は、直射日光が正面から当たりやすいので……。

市川 はい、このくらいのサイズがないと厳しいですね。また、フロントドア内側前端に三角のガーニッシュがあったのですが、Aピラーを折り曲げることで、新型では廃止しています。部品がひとつない分、スッキリしていますね。こんなに折り曲げたピラー、なかなかないと思いますが。

──2列目シートはだいぶ多機能になって、オデッセイに近くなったような印象を受けます。

市川 そうですね、この中寄せシートはオデッセイにも採用していますが、オデッセイはスライドレバーが2つあったのに対し、新型ステップワゴンは1つにしていますね。「スパーダ」にはオットマンも装着して、より快適に使ってもらえるようにしています。

──「エアー」にも設定してほしいと思いますが……。

市川 ですよね(苦笑)。

──3列目シートは格納が優先になるとは思いますが……。

市川 ですが、今回は座面の厚みを20mmほど増して、ヒップポイントも上げて、座り心地を良くしています。あと、デザイン的な目の錯覚ですが、肩の部分が収納形状の関係で削がれているのを、シート表皮とトリム上部の色を合わせることで、大きく見えるよう工夫しています。また、座面の厚みを20mm上げたのは、薄く見える最大の原因であるということも理由にあります。その分、テールゲートの開口部地上高を上げて、3列目シート格納時と高さを合わせることで、他車より高いということもなく、自転車をラクラク入れられるにしました。

──3列目は、シートの絶対的なサイズは小さいですが、ヘッドクリアランスやニークリアランスは……。

市川 充分に取ってあります。3列目はリヤエンターテインメントシステムが一番見やすいポジションですから。さらに3列目は、酔いにくい視界にこだわって設計しています。1・2列目のヘッドレストを薄型化したのですが、ヘッドレストが大きいとそれを避けて前を見てしまうんですね。そうすると軸がぶれて酔いやすくなるので、真っ直ぐ座っていられるような視界を維持すると、酔いにくいですね。

──サイドのラインもスッキリして、視覚的ノイズも減ったように感じます。

市川 それもあって、酔いにくくなっていますね。今ホンダのなかで、酔いにくさを科学的に立証しようと研究していて、特許も出願しています。

──ヘッドレストの小型化で、むち打ち症対策の要件は厳しくなりませんでしたか?

市川 要件にミートするようには作っていますね。

──下側を伸ばしている……?

市川 そうですね。使う時は上へ引き出していただいて……。でも2列目は、普段はチャイルドシートが装着されていることが多いと思いますので、その時は下に入れてもらって、3列目に座っていただくのがいいですね。

──オデッセイの国内販売が終了するので、新型ステップワゴンがミニバンのフラッグシップになるわけですよね。

市川 はい、オデッセイの賢い所を採り入れています。

──新型ステップワゴンは子育て層をカバーするだけではなく、オデッセイが担っていたポジションも担う作りになっていますね。

市川 そういうトリム構成も用意しています。

──あとはこれで、走りがどれほど進化しているか、ですが……。

市川 満を持して発売しますので、期待していて下さい。

──ありがとうございました!

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Response様
【ホンダ ステップワゴン 新型】初代や2代目の完成度をモチーフに…エクステリアデザイナー[インタビュー]
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(以下、抜粋)
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 間もなく正式デビューするホンダ『ステップワゴン』。そのエクステリアデザインは初代から2代目を感じさせるものだ。そこでエクステリアデザイナーにその特徴や「AIR」と「スパーダ」のデザインのポイントについて話を聞いた。

◆走りそうに見せたい
----:ホンダの重要車種であるステップワゴンですが、花岡さんがこのクルマのデザインの担当が決まった時、どう思いましたか。

 本田技術研究所デザインセンターオートモービルデザイン開発室プロダクトデザインスタジオアシスタントチーフエンジニアの花岡久和さん(以下敬称略):難しいの来たなと(笑)。正直、現行が大成功とは言い難いところもあり、それを起死回生させるのか、など色々思いを巡らせました。

----:その時にどういうクルマにしたいと考えましたか。

花岡:僕自身はまず、走りそうに見せたいというのが実は先にありました。僕自身、よく走るクルマ、スポーティなクルマが好きで、ミニバンといえど、やっぱり見るからに走りそうでないと嫌だなと思っています。開発初期の段階で鷹栖のテストコースで色々なクルマの試乗会をしたんです。そうすると、先代ステップワゴンはものすごく良く走るんですよ。これが見た目で伝わらなければもったいないぞ、中身はメチャクチャ良いじゃないかこのクルマは、と思いました。ですので走りそうに見せたいという考えが実は先にありました。

 ファミリーカーとか使い勝手、そこに至るストーリーは、作り方を考えていく中で出た話ですので、クルマはまず走るってなんぼ、走るシャシーがあって、走りそうな見た目が伴ってないとダメじゃないかいうのが始まりでした。ですのでスタンスなどは非常に気を配っています。

◆AIRは500km、スパーダは800kmくらい遠くに行きたくなるように
----:いまの花岡さんのお話の内容とグランドコンセプト、“素敵な暮らし”とはちょっと違うイメージも感じられますね。

花岡:コンセプトと違うとは正直思っていないんです。その素敵な暮らしを提供するためにお客様に与えたい要素は、“安心と自由”です。良いスタンスで良いハンドリングというクルマは安心じゃないですか。これに乗ってどこまでも行ける自由さは、スタンスが良くて、走りそうじゃないと伝わらないと思うんですよね。開発責任者やほかのデザイナーたちと“ワイガヤ”をしたときに、このクルマでドライブするんだったら高速に乗って最低500kmぐらい遠くに行くクルマにしたいよね、大陸スタイルがやりたくなるぐらい走りそうなクルマに見せたいよねと話をしました。そういうこともありましたから、もともとしっかりと走るので走りそうに見せたいのです。因みにスパーダの方は800kmまで行こうか、広島くらいまで行こうかと、そういう思いでやっています。

----:具体的にそれが表現されているところはどのあたりでしょう。

花岡:タイヤの見せ方です。ホイールアーチはかなり幅、寸法を使っているんです。そしてむしろサイドシルは(ボディの下側に)気持ち引っ込めているぐらいです。サイドシルを出せば出すほどエアロ感があって速そうに見せるという考え方もありますが、実はタイヤの踏ん張りと伴っている方が効果的なので、特にスパーダはそのチューニングに苦労しました。実は70年代のスポーツカーが取り入れていた手法なのです。

----:正面から見ると樽型になっている。つまりこれまで通りのタイヤの位置をキープしながら、あるいは少し出したことで、相対的にタイヤが踏ん張りスタンス良く見せているうえに、サイドシルは内側に引っ張り込むようなイメージで、タイヤをより見せるようにしているということですね。

花岡:それはクルマの基本的なスタンスの作り方だと実は思っているので、そこに忠実にやったという考え方です。

◆初代や2代目を意識して
----:新型ステップワゴンを見ていると、初代のシンプルさをすごく感じたんですが、そのあたりは意識しましたか。

花岡:正直しました。2代目をたまに見ると、一周回ってすごくいいなと個人的に感じていたんです。何となくそれのオマージュ、縦長のテールランプが入ったスケッチ等があって、誰もが良いんじゃないかと。社内の評価会などのプレゼンテーションで、あからさまにオマージュしましたとはいわなかったんですが、誰もが空気として感じ取りながら、それはそれで良いよねという流れで出きてきたんです。初代や2代目の完成度は非常に高いと思っていますので、それを使わない手はないなとも思っていました。

 もうひとつ、今回のターゲットユーザーはミニバンネイティブです。つまり初代や2代目で育った子供たちなのです。それであれば、ますます良いんじゃないとなりました。

----:いまおっしゃった初代とか2代目の良さとはなんなのでしょう。

花岡:それが今回のグランドコンセプトにもつながっているんですけれど、クルマが主役ではなく、それがあることで暮らしが良くなる印象があるクルマですよね。リアル充実している家族が持つクルマというイメージ。だから、クルマが主役で、そのクルマを買うとドヤ顔が出来るクルマではなく、このクルマを持ってる家は、ものすごく楽しい暮らしをしてるなと思わせるものを初代、2代目に感じていたんです。ですので、コンセプトが“素敵なクルマ”じゃなくて、“素敵な暮らし”にしたんです。

◆キャラクターラインの断面にまでこだわって
----:デザイン自体もこのグランドコンセプトを凄く感じさせます。どうしても走り等を意識すると、ウェッジシェイプにしたくなるのですが、今回は見事に水平基調です。その中で、ヘッドライトからリアに向かっているキャラクターラインがとても効果を発揮しているように感じさせています。それは、その下の面の豊かさを感じさせているんです。そのあたりにものすごくこだわりがあるように思います。

花岡:その通りです。極端に線が少ないので、入れる線はもう全部ばかみたいに吟味しました。ですので、そのキャラクターラインのV型の断面なども、随分と吟味しました。

 アウターハンドルも、そのラインの一部として考えました。このアンダーハンドルのラインと、スライドレールの黒いスリットとをきれいに繋げていたり、そういう配慮はひとつひとつ行っています。

----:つまりキャラクターラインを僅か1mmずらしても破綻してしまうデザインということですね。

花岡:ミリ単位、コンマ単位でのチューニングをしています。それこそシンプルなものを作るために、給油口の輪郭とかパネルの継ぎ目とか、バンパーの合わせ方とか、そういうところの勝負になってきます。

 また、キャラクターラインの位置も、ヘッドライトとボンネットの割り方、ボンネットのパーティングライン(開口部の線)を逆手にとって、それをクルマ全体に昇華させているという考え方です。要はクルマの機能としては避けられないところなのですから、合理的に格好良く見せるように工夫する。このキャラクターラインでいうと、ボンネットのパーティングラインとうまく相関させていますし、アウターハンドルの線や、スライドレールのシルエットとも、機能上やむを得ず入れる線をデザイン的に昇華させる作業を繰り返しました。

 で、アウターハンドルの位置にしても、先代はキャラクターラインをぶち切ってたんですよ。それを切らない位置に下げています。これはLPL(ラージプロジェクトリーダー、開発責任者)もそのこだわりは理解してくれて、格好良い位置に置けといってもらえました。

◆輸入車の中に置いても見劣りしないクルマ
----:大西さんは全体を見ながらスパーダを担当されました。ステップワゴンのデザインを担当すると決まった時にどう思われましたか。

 ホンダアクセス商品企画部デザインブロックスタッフエンジニアの大西優一さん(以下敬称略):ああ、ミニバンかと思いました(笑)。その当時、まだ結婚したてくらいの時だったので、家族のクルマはどんな感じなんだろうな、まだ自分がそういう状況になっていませんでしたので、ドキドキしながら、どうすればいいんだろうというところが大きかったですね。

----:ではドキドキしながら、どのようなクルマにしたいなと思っていましたか。

大西:いろんな環境、例えば街であったり、山であったり、海であったり、いろんな景色にちゃんと馴染むクルマにしたいなと思いました。

 クルマだけが浮いちゃっていて、クルマ単独で置いてあるように見えるのではなく、周りの景色や街にちゃんとマッチした、馴染むようなクルマですね。名脇役ではないですが、そういうクルマにしたいなと思っていました。

 ですので、開発中に使った絵や、スケッチを描いて、そういった景色に似合うかをそこに写真ではめ込んでプレゼンテーションするということを繰り返しました。ですのでこれらのスケッチたち(会場に展示されていたもの)のクルマは微妙にいまの形と違います。それは大西や矢口(インテリアデザイン担当の矢口史浩さん)たちが当時描いていた絵をそのまま使っているからです。

 開発中に、その方向にしたいというみんなの思いが一致して、若い人達を集めて一緒に作ったものです。

 そして、スパーダを初に企画していくにあたって、LPLから、表参道などの路上に駐車出来るスペースに停めた時に、周りに多くいる外車に交じって並んでいても恥ずかしくないミニバンを作ってほしい。しっかりと自分が自信をもって所有出来るようなクルマを作ってくれといわれました。そこが原点ですね。ですのでAIRと違って、どちらかというと街でより引き立つような仕立てにしていますし、当然カスタムという特性上、他社と比較されるという使命があるので、そこはホンダとしてカスタムモデルを作るということを凄く気にしました。

----:その結果、リアスポイラーをはじめ、フロント周りもかなり印象を変えてますよね。

大西:変えているところはそれ程多くはないんですけど、しっかり変わって見えるようにしました。個性が2つ(AIRとスパーダ)あってそれをしっかりと表現しなければいけません。どこかをはぎ取ったり付け足したりしたように見えるのではなく、両方とも完璧にしなければいけません。そこでAIRは素の良さをしっかりと見せて、スパーダはある程度上質な感じをしっかりと表現しています。その上でパっと見て、どちらを先に作ったかわからないようにしています。

----:どちらも違和感はありませんね。

大西:それはおそらく僕も骨格を作っている段階から花岡さんの下で一緒にしっかりやらせてもらったおかげです。そこでこのクルマがどういう骨格の成り立ちをしているのかをすごく理解出来ていたからです。ですので、スパーダを作るときも、じゃあこうしたら違和感がなくなるとか、しっかり見せなければいけないところはどう処理しようかなど細かいところのチューニングを、モデラーとチームのメンバーと一緒に考えることが出来たことが大きいですね。

◆伸びやかで上品に
----:そこで一番こだわったところはどういうところでしたか。

大西:伸びやかに見えるシルエットと、上品な佇まいで、そこは徹底的にこだわりました。ともすればカスタムモデルというと、圧迫感や下品になりがちなのですが、そこはしっかりと見つめなおして、知性のある仕立てや、上品な感じにしています。つまりスパーダとして知性を感じさせるようにしたかったのです。

----:クルマを一周ブラックククロームで囲みましたね。

大西:そこは無茶苦茶こだわりました。あの断面も本当にモデラーと何回トライしたことか。幅と位置と断面とは何十回もトライしてどれが一番効果的かをやりました。実はこのメッキの上はステップワゴンとして塊をしっかり表現するために意外と絞っています。そこからメッキの下で広げることでスタンスを見せています。このメッキの上と下で少し世界が変わっているのです。どうしてもAIRのようにしっかりと絞ってしまうと、カスタムモデルのお客様が欲している、ワイド感やどしっとしたスタンスが少し足りなくなるので、そこで上は絞って、メッキよりも下で広げてあげることにこだわりました。

----:そしてブラッククロームがあることで視線は下に行きますよね。

大西:その結果、より伸びやかに、そして重心が下がって見えます。よくエアロモデルやカスタムモデルはサイドビューで見た時の変化点が意外とテールゲートスポイラーだけじゃないかというのが結構あると思うんです。しかし、しっかりとモールを1周回すことで、サイドビューでの見た目の違いも狙っています。

花岡:間違い探しのような差ではないわけです。

大西:ちょっと面が光っているとか、ちょっと変わっているとかではなく。

花岡:メッキのギンギラをやめたというよりも、効果的な配置にこだわったのです。

大西:効果的な(メッキの)量を徹底的に整理しました。その中でほんとうに金属の無垢材を削り出したような断面を作りたかったので、そういうところでもこだわっています。だから、張り付けたようなメッキのような、ペラペラな感じには見せたくはありませんでした。

花岡:今回はAIRとスパーダのどちらにもメッキ部品を使ってますけれども、大西にも金属で作れる形にしてくれとリクエストしました。

大西:例えばロアメッキの断面のアールも、意外と金属でかかっているようなシングルアールだったりします。そうしないと逆に嘘っぽく見えてしまうんですね。そうしたところはみんなで金属っぽい表現って何だろうねと、実際に金属の板とかを曲げてみてこういうアールだとか、面は一瞬反るけれど、そこにかかるハイライトが金属の表情になるとか、話をしながら作り上げていきました。

花岡:プラスチックでしか作れない面構成でメッキ部品を作ってしまうと、どうしてもフェイク感が出てしまうんです。

----:最後に、このクルマに込めた思いやアピールポイントを教えてください。

花岡:AIRは道具として使い倒せるクルマとして愛してほしいと思っています。好きなようにいじってください。それはステッカーを貼るもよし、アクセサリーを付けるもよし、そういう楽しみ方の余白があるクルマに仕立てたつもりです。“びたいち”ステッカー貼ってほしくないようなクルマにはしていません。それぞれの個性で乗りこなして、あなたの暮らしを良くしてください。そういう楽しみ方をしてほしいクルマです。

大西:まずスパーダを所有する満足感を味わってもらいたいです。上質なクルマに仕上がってますので、ぜひその上質なクルマで上質な生活、暮らしをしていただきたいな、移動していただきたいなと思っています。

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Creative Trend様
フルモデルチェンジ版・ホンダ新型ステップワゴンの開発関係者に色々聞いてきた!「最も売れているボディカラーは?」「なぜ発売時期が5月なのか?」など
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(以下、抜粋)
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 今回は、実際に新型ステップワゴンを拝見しつつも、近くにいらっしゃった同車の開発スタッフさんに色々と質問してきましたので、その一部をご紹介できればと思います。

 最も売れているグレードについてですが、これは7割近くがエアロボディSPADA/SPADA PREMIUM LINEを選択されているそうです。
 これは前回のブログでもお伝えの通り、デザイン面ではノーマルボディAIRの方が圧倒的に上なのですが、装備面においてシートヒーターや電動パワーテールゲート、オットマンなどが装備(もしくはメーカーオプション設定)できないことからやむをえずSPADA系を選ぶ方が多いようです。
 そのため、ノーマルボディAIRのプレミアムグレード版もしくはメーカーオプションをもっと充実にしてほしいという声が非常に多いことから、この辺りは開発陣も検討していく予定とのことなので、1年後以降の年次改良では何かしらの改善があることに期待したいところです。

 続いて、最も売れているボディカラーと、どういった車種からの乗り換えが多いのかチェックしていきましょう。
まずボディカラーですが、先述にもある通り比率的に最も売れているのはSPADA系となるため、どうしてもSPADA寄りのボディカラーになってしまいます。
1位:プラチナホワイトパール
2位:クリスタルブラックパール
3位:ミッドナイトブルービームメタリック

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CarWatch様
ホンダ、新型「ステップワゴン」開発陣による商品コンセプト解説
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(以下、抜粋)

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【新型ステップワゴンの商品コンセプトとは】
 本田技研工業はSTEP WGNの事前説明会を開催した。本田技研工業四輪事業本部ものづくりセンターからは開発責任者の蟻坂篤史氏、本田技術研究所デザインセンターからは、エクステリアデザイン担当の花岡久和氏、大西優一氏、インテリアデザイン担当の矢口史浩氏、CMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザイン担当の唐見麻由香氏、パッケージデザイン担当の市川聡子氏が参加。さらに、ホンダアクセスから純正アクセサリー開発責任者の松岡靖和氏が参加し、各パートの解説が行なわれた。
 最初に開発責任者の蟻坂氏が登壇し、新型ステップワゴンの商品コンセプトを語る前に、ステップワゴンの世界観をイメージしたアニメーションを上映。子供のころステップワゴンで育った思い出を持つ主人公は、就職して日々の忙しさに没個性に陥りそうになる中で、結婚して子供ができ、生活は一変。そして自分たちの幸せは自分たちで決める。欲しいのは、安心と温もりのある毎日や、自由で可能性のある未来が見える「素敵な、暮らし」であることに気づく。父になり子供のとの時間を優先しているうちに妻のほうが運転が上手になっていたり、子供が泥んこのまま車内に乗っても大丈夫な内装など、どんなに忙しくてもステップワゴンさえあれば、家族はいつも家族でいられて、どこまででも走っていける。家族の可能性をもっともっと広げてくれる。そんな素敵な暮らしに寄り添ってくれるのがステップワゴン……という内容。
 この動画について蟻坂氏は「今の年齢が40歳の子育て世代で、初代ステップワゴンが登場した1996年ころに親がミニバンに乗っていて、ミニバンに慣れ親しんでいるメインターゲットに向けて製作した」と解説。そのターゲット層が求めている「あらゆる用途に使えて、生活を豊かにしてくれるアイテム」として開発を進めてきたという。
 特に購入重視点上位である「外観デザイン」と「シートアレンジ」については、先代モデルは他社に劣っている部分もあったと考え、改善に注力することでミニバンの基本価値の向上を図っている。また、時代の移り変わりとともにターゲット層のニーズにも変化があり、子供のころからテロや世界恐慌、自然災害などを目の当たりにしてきたこともあり、「信頼や安心」を求めていることに加え、共働き世帯が7割を超えていて、日々の煩わしさから解放された「自由」を求めているという。そこでホンダはミニバンの基本価値観をターゲット層の価値観に基づき進化させ、他社ミニバンとの差別化も図りたいと考えて導き出したグランドコンセプトが、家族みんなが安心と自由を感じ、生活が広がるように思わせてくれる「素敵な暮らし」であると紹介。
 そして「安心×自由」というキーワードに基づいて「ミニバンの新たなスタイリング」「すべてにおける信頼性」「空間の開放」を具現化したことで、新型ステップワゴンが完成。デザインの方向性は奇をてらわずに、どんなシチュエーションにもマッチして、どんな風景にも違和感がなく、どんな角度から見てもきれいに見えるものを目指したという。これはエクステリアもインテリアも一貫して採用しているデザインコンセプトだと蟻坂氏は言う。
 ラインアップに関しては、従来のようにアイテムを足していくのではなく、初めから価値観の異なるグレードを設定。シンプル&クリーンの「AIR(エアー)」とスタイリッシュ&クオリティの「SPADA(スパーダ)」のグレードを設定。スパーダについては「先代モデルにもあったが、今回はまったく違う美しさを追求したデザインになっている。またスパーダには派生形のプレミアムラインも設定している」と蟻坂氏は締めくくった。

【「エアー」と「スパーダ」の違いとは】
 エクステリアデザインに関しては、まず「エアー」を担当した花岡氏が登壇。エアーはサブコンセプトとして「Life Expander BOX」を設定。ユーザーが主役でその家族を引き立て、可能性を広げてくれるような存在を目指したという。
 また、通常スタイリングコンセプトは、「○○フェイス」など別に設けることが多いが、新型ステップワゴンでは、車両コンセプトがそのままスタイリングコンセプトとし、ユーザーに提供したい「安心」と「安全」という価値が見ただけで伝わることを目指したという。「がっしりしたキャビン、それを支えるしっかりとした足まわり、どこへでも行けそう、アクティブセーフティを感じる“塊勝負”のデザインにした」と花岡氏。

 基本的には塊だけで語り尽くせることをイメージしつつも、最小限のディテールのみを追加。全体的にいろいろな繊細なチューニングを施し、さまざまなトライを行なったうえで最終的にこのデザインに決まったという。
 フロントは、最近のミニバンではあまり見かけなくなったスッキリとしたイメージとしているが、あまりスッキリさせすぎると商用車のようになってしまうため、どこから見ても質感の高い乗用車に見えるように注意したという。また、細いメッキを左右に通すことでワイド感を演出。もっとも苦労したのが目つきの作り方とのことで、表情を持たせたいが可愛すぎず、威嚇しないような、精悍でありながら親しみのある目つきを生み出したという。ヘッドライトはL字の細いポジションランプがウインカーも兼ねていて、ウインカーは流れるようなシーケンシャルタイプを採用している。
 サイドビューでは、ピラーを後方に下げて起こしたことが最大の特徴。そもそもステップワゴンは「視界のよさ」「運転のしやすさ」「居心地のよさ」といったユーザー中心の考え方があるので、それにに基づき開発チームでエクステリアデザインにフィードバックしたという。また、新型ではベルトライン(ガラスパネルの下端)を上げていて、ボディにしっかりとした厚みが出て、安心感を高められたという。さらなる“こだわり”は、初代や二代目と同じようにピラーを復活させ、後方のがっしり感を高めて“守られている感”を高めたという。
 リアまわりについては、誰が見てもステップワゴンと分かる縦長のテールランプが、初代や二代目ステップワゴンへのオマージュで、「とてもスッキリとしたデザインとしつつ、積載性の高さも伝わるリアビューに仕上げられた」と花岡氏は言う。
 次に「スパーダ」のエクステリアデザインを担当した大西氏が登壇。スパーダのサブコンセプトは「Prime Life BOX」といい、家族をしっかり守る存在にするために「力強さ」「伸びやかさ」「品格」をキーワードにデザイン。同じ箱型ではあるものの、エアーとは印象がまったく異なり、力強さ、分厚さ、大胆さなどを全面に押し出している。
 フロントはエアーに対してオーバーハングを20mm伸ばし、パーツ配置については精悍な顔つきにするためにメッキパーツの配置と量も徹底して整理して、金属から削り出したようなフロントフェイスに仕上げたという。
 サイドは「より低く、より伸びやかなシルエットを目指した」といい、フロントバンパー下部にあるメッキが、そのままサイドシルを経由しながらリアまでつなげることで低さをアピール。サイドシルの断面も、よりタイヤが踏ん張るような力強さを印象付ける作り込みが行なわれている。Bピラーガーニッシュもピアノブラックとすることで、ガラスとの一体感を出し、上質感を高めている。テールゲートスポイラーも、伸びやかなシルエットに貢献しているという。
 リアについてもフロントと同様に、エアーよりもオーバーハングを20mm延長し力強さを表現。さらに、再下端を10mmほどさげて低さを強調したという。そして、テールゲートスポイラーに角を与えることで、リアビューをより大きな四角に見えるようにデザイン。また、「リフレクター(反射板)をテールランプ内に収めているため、すっきりと上質なリアバンパーとなっている」と大西氏は解説した。

【大空間のインテリアデザインの特徴とは?】
 続いてインテリアデザイン担当の矢口氏を中心に、CMFデザイン担当の唐見氏、パッケージデザイン担当の市川氏の3名によりインテリアデザインについての解説が行なわれた。
 矢口氏は「歴代のステップワゴンで築き上げてきた、家族のための大空間をさらに進化させたいと考え、ミニバンネイティブ世代にもっと安心できること、家族の成長と共に自由で柔軟な空間を使えることを大切に開発してきた。もっと遠くに行きたくなったり、もっと遊んでみたくなったり、そんな気持ちを後押しできる空間を目指した」と語る。
 また、インテリアデザインスケッチには、「普段は人の絵は入れないが、今回はイメージを膨らませやすいようにあえて入れてみた」と矢口氏。家族全員が安心して居心地よく過ごせるために、空間全体を心地良い素材で包み込んだという。また、エクステリアデザインからも見て分かるとおり、フロントガラスとサイドガラスの下端を一直線にそろえたことと、2列目3列目シートの着座位置を少し高くしつつヘッドレストの大きさも形状を変更したことで、どの席に座っても外の景色がよく見えるようにデザインしたという。矢口氏は「ホンダ史上最大空間を感じ取ってもらいたい」と、車室内空間の完成度の高さをアピールした。
 これは運転席も同様で「ダッシュボードからの視界も水平基調のラインにそろえたことで、駐車したりする際にボディの大きさを把握しやすく、運転しやすい視界を実現した」とパッケージデザイン担当の市川氏。また、交差点で歩行者を見つけやすくするために、Aピラーを70mm手前に移動させ、サイドミラーも窓の三角部分を使わずドアに直接マウントさせることで、広い視界を確保。ボンネットフードも車両感覚をつかみやすい見え方を追求したという。
 また、実車に乗り込んだ矢口氏は「運転席の視界は、ワイパー、スピーカー、窓ガラスの曇りを解消するデフロスターの吹き出し口までも視界に入らないように徹底的にデザインした。ダッシュボードにも窓ガラスへの映り込みをさせないために複雑な形状物は一切配置せず、自然と意識が外へ向き運転に集中できるように配慮した」と解説。また助手席側では、箱ティッシュの入る収納や小物置き、凝ったステッチを入れた内装、汚れても拭きとりやすい素材を使用し、子育て世代への扱いやすさを紹介。
 運転席まわりではほかに、エアコンの吹き出し口が新型「シビック」から導入している可動範囲の広い新タイプを採用している点、ボタンの配置が初心者でも分かりやすいように工夫を凝らしたという点、メーターに大きくて見やすい10.2インチの液晶デジタルディスプレイを採用した点、フロントシートにフィットやヴェゼルですでに使用している長距離の運転が疲れにくくなる「ボディスタビライジングシート」を採用している点などを説明した。乗降性についても小柄な人でもスムーズに乗り降りができるように形状などを工夫しているという。
 さらに最大865mmという「超ロングスライド」を実現した新開発の2列目シートは、シートベルトを内蔵することで移動範囲に制限がなく、そこにホンダ初となる前後左右の稼働を実現する「ワンアクションレバー」を搭載し、子供でも自分で調整できる手軽さも両立。運転席の直ぐ斜め後ろにシートを配置できる「赤ちゃんお世話モード」も可能としたほか、スパーダには足を伸ばしてくつろげるフルフラットオットマンも搭載した。
 床下収納が特徴の3列目シートも改良が加えられ、従来モデルではやや硬かったクッションは、新型ではクッション厚を20mm拡大し快適性を向上。ドリンクホルダーはもちろん、USBポートも設置されている。
 唐見氏も「汚れを気にせずクルマを使えるのは快適さに重要なポイントである」と説明しつつ、スパーダはインパネのアッパー部とドアライニングにプライムスムースという汚れを拭きとりやすい合皮を使用しているほか、エアーは撥水撥油加工を施し、掃除がしやすい「FABTECT(ファブテクト)」を採用しているという。
 また「エアーとスパーダの違いをカラーでもより印象付けた」とのことで、それぞれの世界観を分けるために、エアーは子供たちの声が聞こえてくるような、楽しいリビングにいるような雰囲気のあるソリッドライクなカラーを採用。ボディカラーには「フィヨルドミストパール」と「シーグラスブルーパール」の専用色を設定したほか、インテリアカラーはグレーとブラックの2種類を用意したという。2列目と3列目のシート背面は、子供が靴を履いたまま蹴って汚しても拭きとりやすいプライムスムースを採用しているのもポイントであると解説した。
 スパーダは、たまには1人の時間に浸ることも大切にしたい成熟した家族に向けたグレードで、重厚な色をメインにラインアップ。ボディカラーは世界観を大切にするためにダーク系を軸にラインアップ。専用色は「トワイライトミストブラックパール」と「ミッドナイトブルービームマテリアル」を設定。インテリアはブラックのみで高級感のある室内を表現したとしている。

【純正アクセサリーでステップワゴンを家族みんなのすーぱーかーに】
 最後はホンダアクセスの純正アクセサリー開発責任者である松岡氏から、商品の説明が行なわれた。グランドコンセプトは「どこでも行けて、いろいろ選べて、何でもできる、家族みんなのすーぱーかー」と設定して商品を開発。ミレニアム世代ファミリーの「共感価値」と「子育てニーズ」に応えるラインアップを目指したという。
 エアーをベースとした「SPORTS MIX」は、ボディ下方に装着するエアロパーツやアルミホイールなど、趣味と暮らしの共存をあえて見せるカッコよさを表現。スパーダをベースとした「Emotional Solid」は、フロントグリル、フォグライトガーニッシュ、アルミホイールを設定し、かたまり感のある上質なカッコよさを演出したとしている。また、フロントグリルとフォグライトガーニッシュは、スパーダとスパーダプレミアムライン用に表面処理の異なる2種類を設定しているという。
 ナビは11.4インチとホンダ史上最大となる画面サイズを実現。もちろん「Honda CONNECT」にも対応する。また、こちらもメーカー系では最大級となる15.6インチのフルHDディスプレイを採用した「リア席モニター」をラインアップするという。